バイクの車検は何ccから?費用の内訳とユーザー車検の手順を解説
中古車の候補を見ていると「車検残り1年」「車検切れ」といった表記が出てきて、そこで初めて「そういえばバイクにも車検があるのか」と気づく人は多いと思います。私もSR400を検討していたときに、400ccは車検あり、250ccはなし、という違いを知って選び方が変わりました。
この記事では、車検が必要なのは何ccからか、2年でいくらかかるのか、自分でやるとどれだけ安くなるのかを、初めての人向けに整理します。維持費の見通しが立つと、買う前の判断がぐっと楽になります。
車検が必要なのは251cc以上
| 排気量 | 区分 | 車検 |
|---|---|---|
| 〜50cc | 原付一種 | なし |
| 51〜125cc | 原付二種 | なし |
| 126〜250cc | 軽二輪 | なし |
| 251cc〜 | 小型二輪 | あり(2年ごと) |
境目は250ccと251ccの間です。250ccクラスが人気を保ち続けている理由のひとつが、まさにこの「車検がない」という維持費の差にあります。
頻度は2年ごと。受けられる期間は?
二輪車は新車でも初回から2年、以降も2年ごとです。四輪車の新車は初回3年なので、そこと混同しないよう注意してください。
受検できるのは有効期限の満了日の1ヶ月前から。この期間内に受ければ、次回の満了日は元の日付から2年後になります。1ヶ月より前に受けてしまうと、受けた日を基準に2年になるため、その分だけ損をします。「早めに済ませたい」という人ほど、この1ヶ月ルールは覚えておいて損がありません。
費用の内訳:法定費用と整備費用
車検の費用は、①誰がやっても同じ法定費用と②依頼先によって変わる整備・代行費用の2階建てです。
①法定費用(目安)
| 項目 | 金額の目安(2年分) | 備考 |
|---|---|---|
| 自賠責保険料 | 約9,000円前後 | 24ヶ月契約。料率改定で変動します |
| 自動車重量税 | 4,400円 | 初度登録から13年未満の場合。13年以上・18年以上で段階的に上がります |
| 検査手数料 | 1,700〜2,000円程度 | 検査登録印紙・審査証紙 |
| 合計 | 1万5,000〜2万円前後 |
金額は改定されるため、受検前に国土交通省や自動車技術総合機構の案内で最新額を確認してください。特に初度登録から13年・18年を超えると重量税が上がる点は、古い車両を中古で買うときの見落としポイントです。
②整備費用・代行手数料
バイク店や整備工場に依頼する場合、これに点検整備料(1〜3万円程度)+代行手数料(1〜2万円程度)+交換部品代が乗ります。ブレーキパッドやタイヤ、バッテリーの交換が重なると、部品代だけで数万円になることもあります。
業者依頼とユーザー車検の比較
| 項目 | 業者に依頼 | ユーザー車検 |
|---|---|---|
| 総額の目安 | 5〜10万円 | 2〜3万円 |
| 手間 | 預けるだけ | 予約・書類作成・平日に陸運局へ |
| 整備 | プロが点検して不良箇所を交換 | 自分で確認。不良は自分で気づくしかない |
| 所要時間 | 数日〜1週間預ける | 当日1〜2時間(ただし平日日中) |
| 向く人 | 整備に自信がない人・忙しい人 | 費用を抑えたい人・自分で触りたい人 |
差額は3〜7万円程度。大きい金額ですが、ユーザー車検は「検査に通るかどうか」を見るだけで、整備の代わりにはなりません。消耗品の状態を自分で判断できない段階なら、最初の何回かは業者に任せて、点検の内容を見せてもらうほうが結果的に安全です。
ユーザー車検の手順
- 予約——自動車検査インターネット予約システムで、管轄の運輸支局の枠を押さえます。人気の枠は埋まるので2週間前くらいから見ておくと安心です
- 事前整備・点検——灯火類、ブレーキ、タイヤ溝、チェーンの張り、オイル漏れなどを確認。不安な箇所は事前にバイク店で直しておきます
- 書類を準備——車検証、自賠責保険証明書(新旧)、納税証明書、点検整備記録簿、印鑑。当日窓口で書く用紙もあります
- 当日、窓口で受付——重量税・検査手数料を印紙で納付し、自賠責を更新します
- 検査ライン——外観・灯火・ブレーキ・スピードメーター・光軸・排ガスなどを順に検査。初めてなら「初めてです」と伝えれば案内してもらえます
- 合格すれば新しい車検証とステッカーを受け取る——不合格でも当日中なら再検査を受けられます(回数に上限あり)
平日日中しか受けられないため、有給を半日確保できるかが最大のハードルです。ここが厳しいなら業者一択でかまいません。
車検のタイミングは、乗り換えを考える節目でもあります。車検を通してから売るか、通さずに売るかで手残りが変わるので、先に査定額だけ見ておくと判断しやすくなります
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よく指摘される箇所
- 光軸のズレ——ユーザー車検で最も多い不合格理由です。整備工場や検査場近くの「予備検査場(テスター屋)」で数千円で調整してもらえるので、心配なら事前に寄っておくのが定番の対策です
- マフラーの音量・排ガス——社外マフラーは要注意。基準を満たす証明(認証プレート等)がないと通りません。純正に戻して受検する人も多いです
- タイヤの溝・ひび割れ——スリップサインが出ていれば当然アウト。年数の経ったひび割れも指摘されます
- 灯火類——ウインカーの色や点滅、ブレーキランプ、ナンバー灯の球切れ。前日に全部つけて確認するだけで防げます
- ハンドル・ミラー等の変更——保安基準に合わない社外パーツは指摘対象。カスタムしている車両ほど事前確認が必要です
- オイル漏れ——にじみ程度でも指摘されることがあります
中古で買う場合は、こうした指摘箇所の状態がそのまま次回車検の出費になります。購入前チェックの観点は中古バイクの選び方にまとめています。
車検切れで乗ったらどうなるか
車検が切れた状態で公道を走ると無車検運行となり、違反点数と罰則の対象になります。さらに厄介なのは、車検と同時に自賠責保険も切れているケースが多いことです。無保険運行が重なると処分はさらに重くなり、事故を起こせば賠償は全額自己負担になります。
車検切れの車両を検査場まで運ぶには、市区町村で仮ナンバー(自動車臨時運行許可)を取得するか、積車で運ぶ必要があります。「切らしてしまった」場合でも自走はできないと覚えておいてください。
なお任意保険は車検とは別管理です。補償の考え方はバイクの任意保険の選び方をどうぞ。
よくある質問
Q. バイクの車検は何ccから必要ですか?
A. 251cc以上(小型二輪)です。250cc以下は車検がありませんが、定期点検の義務は残ります。
Q. どれくらいの頻度ですか?
A. 2年ごとです。二輪車は新車でも初回から2年間隔で、満了日の1ヶ月前から受けられます。
Q. 費用はいくらですか?
A. 法定費用だけなら2万円前後、業者に依頼すると整備費込みで5〜10万円程度が目安です。
Q. ユーザー車検は初心者でもできますか?
A. できます。ただし平日日中に運輸支局へ行く必要があり、光軸などで不合格になることもあります。整備自体は別途必要です。
Q. 車検が切れたまま乗るとどうなりますか?
A. 無車検運行として処分の対象です。自賠責も切れていれば無保険運行が重なり、より重い処分になります。検査場までは仮ナンバーか積車で運びます。
まとめ
車検が必要なのは251cc以上、2年ごと。法定費用は2万円前後ですが、業者に依頼すると整備費込みで5〜10万円が現実的な予算です。ユーザー車検なら2〜3万円まで下がるものの、平日の時間と自己整備の判断力が要ります。
250ccと400ccで迷っている人は、この2年ごとの数万円を維持費に織り込んで比較してみてください。判断の材料がひとつ増えます。維持費全体で言えば、任意保険と保管場所も大きな固定費です。任意保険の選び方とバイクの保管場所もあわせてどうぞ。